まだまだガウディの旅は終わりませんよ。
これまでにサグラダ・ファミリア、カサ・ミラ、カサ・バトリョ、カサ・ビセンス、グエル公園、グエル別邸といった有名なガウディ作品を紹介してきました。
これらはすべてバルセロナ市内にありましたね。
しかし彼の作品はこれだけに留まらないのです。
バルセロナ市をさらにはカタルーニャ州の境界を超えて広がっています。
目次
コロニアグエル地下聖堂
ガウディの実験の場 ー未完の傑作
バルセロナから少し離れたところにあるコロニアグエル地下聖堂は、19世紀の終わりにガウディが設計した未完の作品です。
実業家のグエル(グエル公園のグエルです。)はそのエリアに繊維工場を建設しました。それにともなって、野心的なプロジェクトに着手しました。
その郊外エリアに工業施設を中心として、そこで働く労働者の住まい、文化施設そして住人用の礼拝堂までを備えた、共同住宅地(コロニー)である「コロニア·グエル」をつくるというものです。
当所はそこにあった小さな礼拝堂をコロニーの教会として使っていました。
しかし、手狭になったため、グエルがガウディに新たな教会の建設を依頼しました。
ただ、ガウディは長期にわたって大胆な実験的な構造研究に取り組んだために、なんと教会の礎石(そせき:建物の土台となる石の基礎)が置かれたのが、以来から10年もたってからだったようで、なんとものんびりというか、研究に没頭したというのか。
これがスペイン時間なんですかね。
その後、グエルが病気になり息子たちに建設の指揮を任せようとしたものの、その後継者があまり教会の建設に興味示さなかったことから、ガウディもプロジェクトを降りてしまいました。
まだプロジェクトの初期段階だったようです。
このような経緯で地下聖堂の一部だけが完成した状態となりました。
ただ、その独自のデザインと美しいステンドグラスは一見の価値があります。
ここは、ガウディが彼の建築哲学と技術を自由に発揮し、一連の実験的建築を作り出すことができた場所で、建築史上でも重要な作品としてみなされています。
場所:バルセロナ市内からちょっと足を伸ばして行けますよ
バルセロナ市内からはPlaza España駅から電車1本で近くのColònia Güell駅まで行けます。25分程度です。
地下聖堂の見学には事前にオンラインでチケットを購入しておくか、すぐ近くの観光案内所でチケットを購入する必要があるのでご注意ください。
チケットはこちらからオンライン購入できます。
エルカプリチョ - ガウディの傑作の中でも独特の美しさ
スペイン北部のカンタブリア州のコミーリャスという沿岸の村にある建物です。
アメリカ大陸で富を築いた富豪の別荘です。
ガウディ独特の建築手法がまだ使われておらず、豊かな色彩や空想性が印象的な建物です。
個人的には、見た瞬間にLEGOハウスを想像してしまいましたが。
アストルガ司教館
アストルガ司教館のプロジェクトは、この街で司教(ローマ=カトリック教会において高い職位の聖職者)を努めていたグラウ神父がカタルーニャ出身だったことから、同郷のガウディに設計を依頼したというものです。
行政がガウディの設計についてあれこれ口出しをしたために、工事の進行とともに必要に応じて設計に変更を加えるというガウディの進め方はやりづらかったようです。
そして、支払いの遅れもありました。
さらに、ガウディの建設プランを守ろうとしてくれた同郷の司教も亡くなってしまったことから、ガウディは途中でプロジェクトを辞任してしまいました。
またもやガウディの未完のプロジェクトとなったのです。
最終的には、別の建築家のもとで、当初の計画よりはこじんまりした方法で完成はしています。
アストルガの街で最も重要なモニュメントとして評価されています。
周囲にはレストランやバルもあり、ビールを飲みながら、お茶をしながらゆっくりと眺めることができますよ。
おわりに
これらの名所を訪れることで、ガウディの想像力豊かな世界がさらに広がり、彼の作品がもつ普遍的な魅力を感じることができるはずです。
エルカプリチョとアストルが司教館は、少し遠くまで足を伸ばす必要がありますが、ガウディ好きなみなさん、その魅力に取り込まれた方はぜひ行かれてみてはどうですか!
感動することまちがいなしです。
ガウディについて知りたい方はこちら👇の本オススメです。
私もこの本を読んでから見に行きました。
Kindle Unlimitedで無料で読めるみたいです。わたしは通常価格で書籍で購入しちゃいましたが、これはお得ですね。