スペイン雑学(トリビア)

スペイン人は本当にシエスタしているのか?

2024年1月26日

先日、YouTubeをなんとなく見ていると、ある動画の中でスペインについて話を始めた人がいました。

論破王と呼ばれている有名なあの方です。

そこで、話していたのは、スペイン人はみんなシエスタしているというもの。

今現在スペインにいる身からすると、

ん? ん?

いつの情報だ?

というのが第一印象。

スペインに対するイメージは、

「人はみんな陽気で、明るくて、情熱的で、昼からビール飲んで、ワイン飲んで、シエスタして、フラメンコ踊って、パーティしている」

という方もいるかもしれません。パリピー状態。

さて今回はその中でもシエスタについてだけ取り上げてみます。

その真偽はいかに。

シエスタ(Siesta)とは

そもそもシエスタとは何か。

シエスタとは、昼食の後に、ひと眠りしたり休息を取るスペインの文化です。

昼食とともに数時間の休憩をとるこの習慣は、昔からスペイン社会に深く根付いています。

スペインでは、一般的に昼食が14時に始まるのですが、1日の中で昼食をいちばんガッツリ食べる人たちは多いです。

そうなると、眠気がやってきますよね。

それと暑さです。これがシエスタのはじまりとなった大きな理由と言われています。

スペインの気候と農業の合理的なニーズに関連しています。

農家では、暑い夏の昼間の作業は厳しいことから、外の気温が下がるまで、人々は涼しい部屋で昼寝をすることで過ごしました。

エネルギーを取り戻し、午後の農作業に備えるためです。

この習慣は効果的で生産性向上にとても寄与していたのです。

この農家の習慣が、大きく広がったというものです。

今でも、学校に通っている子供から、仕事をしている大人まで、家に帰って昼食を取ってから、エネルギーを充電してまた学校や職場に戻るケースは多くあります。

いまでもスペイン人はシエスタしているのか?

少し前ですが、2017年に行われた調査では、日頃からシエスタ(昼寝)をする人の割合は16%にすぎないという結果がでています。

ほとんどの人はシエスタしていないんですね。

しかも、シエスタしている人であっても、寝ている時間はせいぜい15分〜30分程度。

かるく2時間くらいは昼寝しているんではないかという、おそらく多くの人が持っているザ・スペインのイメージとは違いますね。

昔は、農家が多くを占めていたため、シエスタ時間を多く取る人がいたようですが、近年は、そもそも農家の数が昔より減って、オフィスでのデスクワークや、工場で勤務する人が増えていること、またスペインでも社会構造や働き方の変化により、たとえば近代化、都市化、グローバリゼーション、テクノロジーの進化が影響して、その結果シエスタを取る人が減少しているのです。

ちなみに私の会社(スペイン企業)も、多くの日本企業と同様に、昼食休憩は1時間なので、シエスタ文化は全くないです。

会社の同僚に聞いてみたら、

「は?みんなやってるわけないだろー」という反応。

周りでも、そんなもうないよって。

ただし、まだ多くの通り沿いにある比較的小さなお店や個人商店(たとえば、八百屋、薬局、100円ショップのような形態の店)は、14時から16時くらいまで閉まっていることがあるので、旅行の際は注意してください。

シエスタ(昼寝)のメリット、デメリット

15分から30分程度の昼寝であれば、その後の仕事の効率があがり、集中力も高まり、ミスも減るというメリットがあります。

一方で、あまりに長いシエスタ休憩を取ると、逆に頭はぼーっとするし、その分仕事が終わる時間が遅くなってしまう。

そうすると、夕食を取る時間も寝る時間も遅くなり不健康になってしまいます。

スペイン人の夜の睡眠時間は、他のヨーロッパ諸国と比べても、1時間近くは少ないという調査報告もあります。

経済活動で言えば、シエスタの時間帯は、客足が途絶えるためその点でもマイナスです。

2016年には、当時のラホイ首相が、日中の休憩時間を短縮し、就業時間を早めて、ワークライフバランスの改善を図ることの提案までしています。

まとめ

スペイン人がみんなシエスタをしているわけではなく、社会変化に応じてシエスタ(昼寝)習慣がどんどん減少している現状が見受けられます。

一方で、昼寝の効果は重要なので、バランスを保ちながらライフスタイルを構築していくことが求められていますね。

眠くなってきた。。。シエスタするか〜

睡眠は大事。ご参考まで↓

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